Ichiro's 2018 6 9

 もはや、「Ichiro's」ブランドのウイスキーは、
インターネットでは、入手困難になってしまった。
(定価の2倍以上出費するならば、入手可能)
 そこで、古くからある酒屋にあるのではないかと思い、
在庫を聞いてみたところ、やはり、「ない」という。
昨年の晩秋、顧客から受けた注文すら確保できていないという。
 私が、昨年、「Ichiro's Malt 2017 5 28」を書いたときは、
十分な流通量だったと思います。
あれから、1年程度で、市場から枯渇してしまった。
 もう、「Ichiro's Malt Double Distilleries」は、
幻のウイスキーとなってしまったかもしれません。
 酒屋の店主によると、
「Ichiro's」のウイスキーで、
ホワイトラベルならば在庫があるという。
 これは、「Ichiro's」の廉価版であり、
あまり期待はしませんでした。
 確かに、最初、飲んだ時は、
「荒削りで、若い」という味でした。
 しかし、2回目以降は、
その個性的な味が好きになりました。
 それにしても、
羽生蒸留所のシェリー樽熟成の原酒と
秩父蒸留所のミズナラ樽熟成の原酒の
「Double Distilleries」は、
私にとって、一期一会のウイスキーになってしまいました。
 振り返ってみれば、
「あれが一期一会だったのか」と思うことが多くなるということは、
私の人生が長くなってしまったということかもしれません。

Ichiro's Malt 2017 5 28

書名 ウイスキー 完全バイブル
著者 土屋 守  ナツメ社

 私は、大学生の頃、知人から、
「羽生ウイスキーを飲もう」と誘われて、
ずいぶん意外感を持ったことがあります。
知人は、埼玉県の羽生市で作られているウイスキーだと言うのです。
 当時は、ウイスキーといえば、
サントリーかニッカしかなかったからです。
外国のウイスキーは、高価で飲むことはできませんでした。
 あれから何年たったでしょうか。
ふとしたきっかけで、「Ichiro's Malt」を試飲する機会がありました。
 これは、「地ビール」ならぬ「地元ウイスキー」だろうと思いましたが、
あまりにもおいしかったので、びっくりしました。
 この本によると、
「Ichiro's Malt Double Distilleries」とは、
羽生蒸留所の原酒と秩父蒸留所の原酒をヴァッティングした、
ブレンデッドモルト。
 羽生蒸留所のシェリー樽熟成の原酒は、深い甘みが特徴で、
秩父蒸留所のミズナラ樽熟成の原酒は、
日本らしい爽やかさが特徴である。
その2つが見事に合体している。
(引用、以上)
 ウイスキー好きの人ならば、
シェリー樽やミズナラ樽と聞くと、
どのような味になるか見当がつくでしょう。
 この本では、「この会社の代表である肥土伊知郎氏(あくといちろう)が、
会社を設立したのは、実家が埼玉県羽生市で経営していた東亜酒造が、
売却された際に、残っていたウイスキー原酒を活用するため」とあります。
 ボトルの裏には、
「過去からの贈り物と新しい蒸留所のウイスキー原酒が、
時間を超えて、ひとつになりました」とあります。
 伝統は引き継がれる。
時には、その伝統は伏流水になってしまうかもしれませんが、
しかし、復活する。
 私も大学生だったころの記憶が鮮明によみがえり、
遠い過去と今が、「Ichiro's Malt」のように、
うまくヴァッティングして熟成するものかと思いました。























































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